カレンダー
リンク
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
バーコード
RSS
ブログ内検索
アーカイブ
最古記事
2025.05.21 Wed 20:49:52
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
2007.01.26 Fri 01:40:44
優しくしたい、と思う。
指先で触れるならまずぎゅっと握りこんで指先を暖めてから、その頬に触れたいと思う。
両腕で抱きしめるならなるべく柔らかな衣服を纏ってから、その身を抱きしめたいと思う。
会話をするなら何よりも貴女の傍に生きていることが幸せだと伝えられるような、そんな言葉を選びたいと思う。
餅のような肌をしている。
キスをしたいけれど我慢する。それは大して難しいことじゃない。それは仕事中の居眠りを我慢するようなもので、責任感と切り捨てられる恐怖を含め、我慢に苦労するようなものではない。
さほどの欲望ではない。
食べてしまいたい、と口に出すと、それは空中で粉砂糖のように風化してしまって、どれだけ暴力的な意味合いを込めても、貴女のところに届くまでに可愛らしい冗談のようになってしまう。
その肌に歯形をつけたくはないし、血を流すようなこともしたくない。痛みも快楽もそこには無く、子供のような満足感が広がるのを予測している。しかしひとくちで食べられるほど貴女は小さなひとではないし、私の器は大きくもない。
食べてしまいたい、それは私を寄ってたかってなぶり者にするような男たちの言うそれとは全く異なるもので、とそう信じているが、どうしても近くにいたいという願いが増長すれば私もああなるのだろうか。飢餓で死んだほうがましだ。
眠りを我慢する、ということの真実を、知っている。
動物的な欲望の、その制御は人間だけの特権だ。それに苦労しなくなったなら、動物としては終わりなのだろう。
生物としての終わりを迎えても、私はひととして貴女の傍にいるのだろう。
唇と舌と牙の代わりに、言葉を得た。触れて抱きしめて愛の言葉を囁くだけで、それだけで、それだけが、私の空腹を埋める幸福。
欲望の果て、を見たとは言わない。
PR
Comments
Trackbacks
TRACKBACK URL :